排泄や入浴、食事など生活上の必須事項のケアだけでなく、仕事や遊びの移動支援など、他人の生活にガッツリ関わる場合がしばしばあるのが、この仕事の大きな特徴です。そのため一人の人間の、楽しい思い、ツライ出来事、心にしみる経験などを一緒に体験する事が多いです。そして、利用者さんとの間に単なるお客さんとサービス提供者という関係を越えてもう少し深い繋がりになるケースもあります。この辺りが、訪問系の障害福祉の仕事のやりがいや魅力になる部分の一つです。福祉系の中でも障害福祉分野を選択して働き続けている方は、このような所に魅力を感じ、働き続けている方が多いように感じます。
もちろん、ビジネスライクな関係というケースも多くあります。ヘルパーとして利用者さんとの関係に一線を引いて仕事に臨む方も大勢いらっしゃいます。訪問系の障害福祉の仕事は、一人の方のすぐ側で、ある程度の時間サービスを提供することになるので、利用者さんとのコミュニケーションは避けられない職種です。しかし、当たり前のコミュニケーションを取る事ができれば、黙々とケアをするというのも受け入れてもらえます。利用者さんも何人、何十人というヘルパーが月に出入りして介助を受けるという状況から、色々な介助者がいるということを受け入れて生活されている方が多いです。ねこの手では、コミュニケーションに苦手意識を感じているという方も働いています。要は、普通の人間関係と同じで深い関係になるかなどは利用者さんとヘルパーの希望や特性、そして相性によって変わります。サービス業の中でもお客さんとの関係が近い業界ですが、その辺りをあまり考えすぎないで欲しいです。身構えて障害福祉の仕事を始める方もいらっしゃいますが、始めてみると意外と特殊な技術や知識が必要で無いことに気づく方が多いようです。必要なのは、職種を問わず仕事をする上で最低限求められる「常識」と「気遣い」のみです。