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事業一覧

中小規模の法人ですが、主軸の訪問介護事業に留まらない活動内容があります。「重度訪問介護従業者養成研修」は中小規模の法人では中々行う事が難しく、私達の強みの一つです。NPOならではとも言えるIL活動も行っており、障害当事者を中心に福祉分野の様々な問題に向き合ってきました。多様な事業を展開しているので、ヘルパー業務を超えた様々な経験を積め、色々な人との出会いがあります。今後も、新事業や新たな取り組みを行っていくつもりです。
ヘルパー派遣事業
 居宅介護・重度訪問介護・移動支援などのサービスを利用している障害のある方の生活をサポートするため、障害者総合支援法に基づきヘルパー派遣を行なっています。障害のある利用者さんのお宅に伺い、食事やトイレ介助、家事サポート、車イスでの移動介助を行います。知的障害を持つ方のガイドヘルプなども行います。
グループホーム事業
 2020年4月に知的障害(軽度)を持つ男性向けのグループホームを開設しました。少人数の定員で、アットホームな住まいを目指しています。
入居者さんが昼間にしっかり働けるように、生活の見守りと、調理や家事を行います。自分で出来る事が増えるように成長をサポートするのも大切な仕事です。
障害者自立生活支援活動(IL)
 障害があっても自己決定に基づいて主体的に生活を営むことを目指し、障害を持つ当事者スタッフが前面に立ち様々な活動を行っています。同じ問題や悩みを抱える人達の座談会や勉強会、他の障害者団体との交流、福祉分野に関する講演会の実施などの活動を行っています。また、障害を持つ人と健常者が繋がる場として音楽会などのイベントを開催しています。

※ IL運動(Independent Living)とは、障害者が自立生活の権利を主張した社会運動のことです。
ヘルパー養成事業
 障害者総合支援法に基づく「重度訪問介護」の従事者を養成する研修会を行っています。毎年、1〜2回実施。自社の登録ヘルパーを養成する目的もありますが、地域福祉の担い手やヘルパーの潜在層を増やすという社会的な効果も大きい事業です。中小規模の法人でヘルパー養成講座を行っている所は珍しく、私達の強みの一つです。
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業務内容


訪問介護の仕事
 ねこの手の主力事業は訪問介護部門になります。ご利用者さんのお宅に伺い、生活支援や外出支援を行います。重度訪問介護という介助時間が長いサービスの利用者さんが多いので、ゆったりと利用者さんにあったケアを追求できます。

サービス提供責任者とその他の仕事

 主業務は、ヘルパー派遣のコーディネート全般及び、ヘルパーの指導・育成・管理業務です。利用者さんの望むケアを提供できるように、コーディネート業務を行います。現場を越えたレベルでの包括的な業務になり、ケア提供のプロフェッショナルを目指します。その他、採用やWEBデザイン、原稿作成などの仕事あります。

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障害福祉未経験の方へ


「障害者」とは何者か
-ヘルパーの役割とは?-

 「害」という漢字は使ってはいけない。「障害者※1」に害はないのだから、「障がい者」と書かなければいけない、という話を耳にしたことがある方は多いと思います。実際、「障がい者」という記載の方が現在は多いように思います。しかし、アカデミックの世界では、「障害」について考える学問を「障害学」と漢字で表記します。なぜ、「害」の字を使うことが問題にならないのでしょうか?その理由は、「障害」というものの捉え方にあります。「障害」というテーマでは、下記の二つの考え方が取り上げられる事が多いです。
 
医学モデル
 手足が動かせない、目が見えないなどの理由で、不利益を受けたり、機会が損なわれるは、個人の心身能力に原因があるという考え方です。階段を登れないのは、個人の歩行能力に問題があるため、リハビリや治療など個人の努力でその障害を解消することを求めます。つまり、障害は個人の中にあると考えます。その考え方から、「障害の個人モデル」と呼ばれることもあります。
 
社会モデル
 「障害」は個人の心身機能の障害と社会的障壁の相互作用によって創り出されているものであり、社会的障壁を取り除くのは社会の責務であるとする考え方です。(「ユニバーサルデザイン2020行動計画」ユニバーサルデザイン2020関係閣僚会議決定※2)

 車いす利用者が階段を登れないのは、歩けないという個人の身体機能の問題ではなく、階段や段差を社会が作り出したことに原因があると捉えます。つまり、「障害は、社会が生み出す環境や構造と個人の間のある関係」と捉えます。「障害」は、より多くの人が利用できる環境を整えていない社会に大きな原因があり、社会的障壁を取り除くことは社会の責務だとするのが社会モデルの基本的な考えです。
 
 長年、「障害」というテーマは医学モデルを軸に考えられてきました。しかし、現在は社会モデルを軸に考えられることが一般的です。もちろん、「障害」というものを包括的に捉えるならば医学モデルの考えも重要です。しかし、「障害者」でも安心して生活できる社会を目指すならば、社会モデルからの視点が重要だと考えられます。社会モデルの考え方では、障害は社会の方にあると考えられるため、「害」の字を使うことは全く問題になりません。障害とは、社会と個人の間のある一つの関係性のことです。社会と個人の関係性が、一部の人にとって不利益や機会損失になる時、それは「障害」となります。ヘルパーというのは、「障害者」の心身機能を補うのみではなく、社会との関係性の間に生まれる溝を埋める仕事になります。
 
 意外と知られていませんが、行政機関や民間事業者には社会的障壁の除去が法的に義務化されています。「障害者差別解消法」(正式名称:「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」)では、行政や民間事業者は、障害者から社会的障壁の除去の意思表明があった際に、過重な負担でない限りは、必要かつ合理的な配慮(通称:合理的配慮※3)をする事が義務となっています。

 排泄や入浴、食事など生活上の必須事項のケアだけでなく、仕事や遊びの移動支援など、他人の生活にガッツリ関わる場合がしばしばあるのが、この仕事の大きな特徴です。そのため一人の人間の、楽しい思い、ツライ出来事、心にしみる経験などを一緒に体験する事が多いです。そして、利用者さんとの間に単なるお客さんとサービス提供者という関係を越えてもう少し深い繋がりになるケースもあります。この辺りが、訪問系の障害福祉の仕事のやりがいや魅力になる部分の一つです。福祉系の中でも障害福祉分野を選択して働き続けている方は、このような所に魅力を感じ、働き続けている方が多いように感じます。 
 
 もちろん、ビジネスライクな関係というケースも多くあります。ヘルパーとして利用者さんとの関係に一線を引いて仕事に臨む方も大勢いらっしゃいます。訪問系の障害福祉の仕事は、一人の方のすぐ側で、ある程度の時間サービスを提供することになるので、利用者さんとのコミュニケーションは避けられない職種です。しかし、当たり前のコミュニケーションを取る事ができれば、黙々とケアをするというのも受け入れてもらえます。利用者さんも何人、何十人というヘルパーが月に出入りして介助を受けるという状況から、色々な介助者がいるということを受け入れて生活されている方が多いです。ねこの手では、コミュニケーションに苦手意識を感じているという方も働いています。要は、普通の人間関係と同じで深い関係になるかなどは利用者さんとヘルパーの希望や特性、そして相性によって変わります。サービス業の中でもお客さんとの関係が近い業界ですが、その辺りをあまり考えすぎないで欲しいです。身構えて障害福祉の仕事を始める方もいらっしゃいますが、始めてみると意外と特殊な技術や知識が必要で無いことに気づく方が多いようです。必要なのは、職種を問わず仕事をする上で最低限求められる「常識」と「気遣い」のみです。不安や心配などもあるかと思いますが、まずはお話だけでも聞きにきていただければ嬉しいです。




※1「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」(「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」)

※3障害者が他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう。
(「障害者権利条約」https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinken/index_shogaisha.html